コラム

「r」と「g」ってなに? 中学生にもわかる経済の話

r > g(アール だいなり ジー) 投資の本でよく見かける言葉ですが、言葉だけが一人歩きし、意味を理解している人が少ないのではないか思っております。

そこで、中学生でもわかるよに解説してみました。


「r」とは?

まず、「r(アール)」についてです。rは「投資でお金を増やすスピード」のことです。

たとえば、お金持ちが株を買ったり、土地を持っていたり、会社を経営していたりすると、その資産から利益がどんどん増えていきます。

この「お金が増えるスピード」のことをrと言います。


「g」とは?

次に、「g(ジー)」についてです。gは「働いて得られるお金が増えるスピード」、つまり経済全体の成長の速さを表しています。

もっとわかりやすく言えば、みんなの給料や生活が良くなるスピードのことです。


r > gの意味

フランスの経済学者ピケティは、「昔からお金を持っている人が投資をしてさらにお金を増やすスピード(r)が、普通の人が働いて得られる給料が増えるスピード(g)よりも速い」ということを発見しました。

たとえば、次のように考えるとわかりやすいです。

たとえば、次のように考えてみましょう:

  • お金持ちは1億円を持っていて、毎年5%増えるとします。これは1%あたりにすると、1年で100万円増える計算です(1億円 × 1% = 100万円)。
  • 普通の人のお給料は500万円で、毎年1%増えるとします。これは1%あたりにすると、1年で5万円増える計算です(500万円 × 1% = 5万円)。

なぜこれが問題なの?

お金持ちは増えたお金をさらに投資して、どんどん資産を増やしていきます。

そしてその資産を子どもに渡すことで、子どももまたお金持ちのままでいられます。

一方、普通の人は働いて給料をもらうのが精一杯で、なかなか資産を増やせません。

この差が広がり続けると、お金持ちと普通の人の差、つまり「格差」がどんどん大きくなります。

もし格差が広がりすぎると、みんなが安心して暮らせる「中流家庭」が減ってしまい、社会全体が不安定になるかもしれません。


どうすればいいの?

ピケティは、格差を少しでも縮めるために、次のような方法を提案しています。

  1. お金持ちにもっと税金を払ってもらう
    お金をたくさん持っている人から税金を多めに集め、そのお金で社会を助ける仕組みです。
  2. みんなが平等にチャンスを持てる社会を作る
    誰でも良い教育を受けたり、医療を受けられるように、教育や医療をもっと平等にすることです。

問題点

ピケティの富の再分配や平等なチャンスの提供は効果が期待されますが、実行には課題があります。
お金持ちが税金を逃れる方法(タックスヘイブン利用など)や、教育や医療の格差が根強く残ることが問題です。また、制度を変えるには多くの時間と努力が必要です。


1. お金持ちにもっと税金を払ってもらう(富の再分配)

問題点:

  1. 税の税金の逃れ方
    • お金持ちは専門家を使って資産を海外に移すなど、税金を回避しやすいです。これを「タックスヘイブン」利用と言います。
    • 例:企業や富裕層が資産を課税率の低い国に移すことで、高い税金を逃れる。
  2. 経済への影響
    • 税金を取りすぎると、お金持ちが投資やビジネスを控える可能性があります。
  3. 政治的な抵抗
    • お金持ちや企業が政策を変えようとする力があり、税金を増やすのが難しいことがあります。

抜け道:

  • 複雑な税制を利用して、合法的に税金を減らす。
  • 資産を法人名義に変えて、個人としての税金を避ける。

2. みんなが平等にチャンスを持てる社会を作る(教育・医療の平等化)

問題点:

  1. 教育や医療の格差の根深さ
    • 教育や医療が平等になっても、家庭環境や情報の違いで、まだ格差が残ることがあります。
  2. インフラ整備のコスト
    • 平等なサービスを提供するには、多くのお金や努力が必要です。
  3. 制度の不十分さ
    • 公立と私立の学校や、都市部と地方の病院で、まだ質に差がある場合があります。

抜け道:

  • 私立学校や塾に頼ると、お金がある家庭だけが良い教育を受けられ、有利になります。
  • 高額な治療や特別な健康サービスはお金持ちしか使えず、健康格差が広がります。

抜け道を防ぐための対策

  1. 国際的なルールを作る
    • 資産を海外に移すのを防ぐため、国際的な課税ルールを整える。
  2. 税の透明性を高める
    • お金持ちや企業がどれだけ税金を払っているかを分かるようにする。
  3. 公共サービスの質を上げる
    • 教育や医療の質を良くして、みんなが利用しやすくする。
  4. 家庭への支援
    • お金の支援だけでなく、勉強のサポートや学習意欲を高める工夫も必要です。

普通の人ができること

私たちがこの問題を知った上でできることもあります。それは「自分も少しずつでもrの側に近づく努力をする」ということです。

  1. 貯金をする習慣をつける 少しずつでもお金を貯めて、将来投資を始める準備をしましょう。
  2. 自分を「資産」にする 新しいことを学んだり、スキルを身につけたりして、自分の価値を高めることです。将来、より良い仕事に就くことができるかもしれません。
  3. お金や時間を賢く使う 必要以上の買い物を減らして、自分の将来に役立つことにお金や時間を使うことが大切です。
  4. 資産を作る 貯金して貯めた現金で、株や債券を買う。

まとめ

「r > g」というのは、「お金持ちがさらにお金を増やしやすい仕組み」を示しています。
これを知ることで、社会を良くする方法や、自分がどう努力すればいいかを考えられます。

ピケティの提案は理論的に有効ですが、実行には多くの壁があります。
特に、富裕層や大企業が税金を逃れる仕組みや、社会の格差構造が問題です。

これを防ぐには、国際的な協力や制度の強化が必要です。
また、教育や文化を支える長期的な取り組みも欠かせません。

未来のために、自分を大切にしながら、お金や時間を上手に使っていきましょう!

ヤマト

ざっくり解説してみました。わかりやすかったかな??

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