カナダを拠点とするビットコインマイナーのハット・エイト(Hut 8)は、人工知能(AI)業界への進出と暗号通貨市場の好調に支えられ、大きな注目を集めています。
ルイジアナ州での120億ドル規模のAIデータセンター建設計画に加え、四半期決算でも市場予想を大きく上回る結果を発表しました。
また、ドナルド・トランプ次期大統領の暗号通貨推進政策への期待が、暗号資産関連株やビットコイン市場全体を押し上げています。
ルイジアナ州での120億ドル規模のAIデータセンター計画
ハット・エイトは、ルイジアナ州ウェスト・フェリシアナ・パリッシュでAIデータセンターを建設する計画を発表しました。
このプロジェクトは、地元経済に大きな影響を与えると期待されています。
- プロジェクト概要: 45万平方フィートの建物2棟を建設(第一段階)。
- 雇用創出: 1500〜2000人の建設労働者を雇用予定。完成後にはさらに数百人の恒久的な雇用が見込まれます。
- 完成時期: 2025年末を目標。
このプロジェクトは、メタ(Meta)が近隣で計画している100億ドル規模のAIデータセンターとの潜在的な連携が噂されていますが、現時点では公式なパートナーシップは発表されていません。
ハット・エイトはハイパースケールのテナントに施設を貸し出す計画であり、AI業界でのプレゼンスをさらに拡大する意向を示しています。
四半期決算で予想を大幅に上回る結果
ハット・エイトは2024年第3四半期の決算で、予想を大幅に上回る業績を発表しました。
- 売上高: 前年同期比101%増の4374万ドル(FactSet予想は3460万ドル)。
- 純利益: 1株あたり1セントの黒字(前年同期は1株あたり10セントの赤字)。
- 採掘実績: 234ビットコインを採掘し、1コインあたりの平均収益は6万1025ドル、採掘コストは3万1482ドル。
- 保有資産: 四半期末時点で9106ビットコインを保有(時価総額5億7650万ドル)。
さらに、子会社であるHighrise AIを通じて、新しいGPU-as-a-Service事業を開始。AIクラウドサービスプロバイダーと5年間の契約を結び、固定インフラの支払いと収益分配を含む形で安定した収益を見込んでいます。
パイプラインの拡大と設備投資
ハット・エイトは、自社の開発パイプラインが5ギガワットを超えていることを明らかにしました。特に有望なプロジェクトとして、以下の点が挙げられています:
- 大規模AIデータセンター計画: 合計430メガワットの容量を提供する3つの主要プロジェクトが進行中。2025年末までに利用可能となる見込み。
- ASICビットコインマイニングフリートのアップグレード: 2025年第1四半期に開始予定。効率が37%向上し、第2四半期には完了する見込み。
これらの取り組みにより、ハット・エイトは暗号通貨市場だけでなく、AIやクラウドコンピューティングといった成長市場にも本格的に進出しています。
ビットコイン市場の追い風と暗号通貨関連株の動向
ハット・エイトの成長を支えるもう一つの要因は、ビットコイン市場の好調です。
- ビットコイン価格: 12月5日に史上最高値の10万3900ドルを記録し、現在も9万1150ドル前後で推移中。今年の上昇率は156%。
- 政治的影響: ドナルド・トランプ次期大統領の暗号通貨推進政策への期待が高まり、ビットコイン上場投資信託(ETF)やHut 8など関連株に追い風となっています。
他の暗号通貨関連銘柄も活況を呈しており、ハイブ・デジタル(HIVE)、MARAホールディングス(MARA)などの企業が四半期決算やアナリストの株価目標引き上げを受けて株価が上昇しています。
まとめ
ハット・エイトは、AIデータセンター計画の推進、暗号通貨市場の好調、そして四半期決算の成功により、投資家から高い期待を寄せられています。
- ルイジアナ州のAIデータセンター計画の進展とメタとの潜在的な連携。
- ビットコイン価格のさらなる上昇と、それによる収益拡大。
- AI事業への本格的な進出と、GPU-as-a-Service事業の成長。
- ASICマイニングフリートのアップグレードによる効率改善。
ハット・エイトは、暗号通貨とAIの部門で成長を続ける企業として、投資家や業界関係者にとって目が離せない存在となっています。
投資は自己責任でお願いします。
みなさんも、自分の頭で考え、自分の判断で売り買いしてくださいね(*^^*)
マイニング業者は中央銀行的存在なのでは、と個人的には思っています(*^^*)