12月第3週の米国株式市場
S&P500 5,930 -1.99%
ナスダック総合 19,572 -1.78%
ダウ 42,840 -2.25%
先週の市場は主要指数がすべてマイナスとなり、厳しい展開でした。
米国株式市場が軟調だった主な理由は以下のとおりです。
- インフレ指標の悪化: 10月の米国消費者物価指数(CPI)および生産者物価指数(PPI)の発表で、インフレが依然として高止まりしていることが確認されました。
- FRBの金融政策に対する懸念: インフレの粘り強さを受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が「急いで金利を引き下げる必要はない」と発言し、利下げに慎重な姿勢を示しました。
- 企業業績の不透明感: 主要企業の決算発表が相次ぐ中、業績予想の下方修正や一部企業の業績不振が市場心理に影響を与えました。
S&P500 週間ヒートマップ
エヌビディア(NVDA)
- エヌビディアは先週堅調に推移しつつも、重要な50日移動平均線を下回っています。AIチップ市場でのリーダー的役割を担いながらも、短期的には慎重な見方が必要です。
テスラ(TSLA)
- テスラは史上最高値を更新した後、わずかな下落を見せました。しかし、大きな上昇トレンドを維持しており、短期的な調整は「建設的な下げ」として評価される可能性があります。
為替・コモディティー 週間
ドル円
156.41 +1.80%
BTC/JPY
15,221,576円 -2.34%
金先物
2,645 -1.15%
ドル円の156円まで上昇には、以下のような要因が考えられます
1. 日米金利差の拡大
- 米国のインフレ指標が高止まりし、FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを先送りする姿勢を示す一方で、日本銀行(BOJ)が緩和的な金融政策を継続している場合、金利差が拡大し、ドルの需要が高まります。
2. リスクオンのドル買い
- 世界経済の不透明感が高まる中、リスク資産から安全資産である米ドルへの資金シフトが進むことがあります。これにより、ドルが他通貨に対して強くなります。
- 米国議会が3月までの資金延長法案を可決し、政府閉鎖の懸念は解消されましたが問題を先送りしただけで、この問題はいずれ再燃します。
10年債券利回り 週間
アメリカ10年債券利回り
4.529 +3.08%
10年国債利回りは先週、過去2年間で最大の上昇幅を記録しました。
長期金利が上昇している間は、株式にとっては逆風です。
長期金利上昇が株式市場に与える影響
- 資金調達コストの増加
- 企業が借り入れを行う際のコストが上昇し、設備投資や事業拡大が抑制される可能性があります。
- 割引率の上昇
- 株式の価値は将来のキャッシュフローを割引した現在価値で評価されますが、割引率が上がることで、株価の理論値が下がります。
- 債券の競争力上昇
- 長期金利が上昇すると、債券利回りが上がり、安全資産である債券がより魅力的になります。その結果、リスク資産である株式から資金が流出することがあります。
- 消費者への影響
- 住宅ローンやその他のローン金利が上昇するため、消費者の可処分所得が減少し、消費が抑制される可能性があります。これが企業の収益に悪影響を及ぼします。
来週の重要イベント
経済指標
12月25日 水曜日
・祝日 クリスマス アメリカ時間 13:00に市場閉じる
12月26日 木曜日
・祝日 クリスマス 市場休み
12月26日 木曜日 04:00
・失業保険申請件数
※日本時間
決算
主要企業の決算発表なし
※現地時間
市場の動き
市場全体の状況
- FRBのタカ派的な姿勢が水曜日に市場を動揺させたものの、金曜日の反発によりナスダックは21日移動平均線を上回りました。
- ダウ平均株価とラッセル2000は、50日移動平均線をまだ下回っており、全体的に弱気の兆候が続いています。
- 10年国債利回りは先週、過去2年間で最大の上昇幅を記録しました(4.52%)。
注目されるETF
- iShares Expanded Tech-Software Sector ETF (IGV)
- 主要銘柄としてPalantir株とAppLovin株を保有しており、先週2.1%下落しました。
- ヴァン・エック・ベクターズ・セミコンダクターETF(SMH)
- エヌビディア株が主要構成銘柄。週次では2%の下落。
- ARKイノベーションETF(ARKK)
- 先週3.2%の下落。テスラ株やNVDA株を多く保有している点で注目されています。
今週の重要なポイント
- 短期的な取引チャンス
- 金曜日の反発を利用して積極的な取引を行った投資家も多かったようです。ただし、市場全体が回復基調に乗るまでは慎重さが求められます。
- 特にS&P500が21日線を超え、エヌビディアが50日線を回復するようなポジティブなシグナルが出るかどうかが焦点です。
- 政府閉鎖の危機回避
- 米国議会が3月までの資金延長法案を可決し、政府閉鎖の懸念は解消されました。この安定が短期的な市場の好材料となっています。
まとめ
米国議会が3月までの資金延長法案を可決し、政府閉鎖の懸念は解消されましたが、時限爆弾のようなものです。
年明けには、再び上記問題が再燃することは間違いありません。
トランプ新大統領は相手の予測を狂わせることで交渉力を高めたり、議論の主導権を握るスタイルを好むとされています。
資金延長法案に関しても必ず、予測不能の動きをし交渉を有利に進めようとするはずです。
彼の言動の本当の意味をキャッチしていきたいと思います。
ヤマト
市場はトランプ大統領しだいですね。(*^^*)